前回に引き続き新築住宅の家の選び方についてです。

③ブランドで選ぶ家
④価格で選ぶ家

今回は両者で考えてみたいと思います。

直営店とフランチャイズ

直営店という言葉をご存知でしょうか。

これはほとんどが長きにわたる建築施工実績の歴史を持つ、全国展開の大手ハウスメーカーの店舗のことを言います。

住宅公園に行けば必ずといって良いほど立ち並んでいるでしょう。

家を選ぶにあたって、ハウスメーカーの知名度も大きなポイントというのも過言ではありません。

長い実績と評価は家選びでは非常に重要と言えます。

テレビCMでは名のある大手建築業者がこぞってCMを流していますので、そこで初めて家を建てるメーカーの名前を知り、意識する人が多いでしょう。

またネット広告にも広告枠の金額が高い箇所、新聞の中の一面全部を使って広告されているケースも多いです。

これは主に大手ハウスメーカーだからこそできる広告の仕方です。

建築工事の請負価格(坪単価)が高いゆえにできる集客方法ですね。

一年に何十億円と広告費に費して集客するわけですから、確かに施工価格の利益が60%ごえというのもうなづけます。

消費者の家族、まだ子供であるその次の世代にまで営業をかけていく方法でブランドの良さ、安心さを定着観念として植えつけられているようです。

親が多めで建てたし、その家で育ったから、私も大人になったらこのメーカーで建てよう、と思うような営業をしていると聞いたことがあります。

さすが大手。
しっかりとした長期営業プランが素晴らしいですね。

しかしながら、大手以外、他の会社はなかなかこういった大規模な広告費はかけられません。

この直営店タイプに比べ、フランチャイズ(工務店がメーカーに加盟してその商品をうるタイプ)というブランドもあります。

世の中フランチャイズは家だけにとどまらず、どの業種にもありますね。

こういった会社は比較的小さな工務店でも加盟店が多いです。

自社で新しい商品を開発し、性能を試して構築するのはコストも時間もかかりますが、すでに売れ筋の単体商品が売れる権利をもつのは非常に業者側としては看板商品になりやすいです。

フランチャイズの商品はネット広告で比較的小さなのでもよく目にしますし、住宅専門雑誌や地域広告などに力を入れて広告展開しています。

地方のテレビやラジオなどで耳にする商品の加盟店の名前も多く聞く機会があるでしょう。

ではどのブランドを選べば良いか、となりますと、先ほどのブランドがメインに押し出している会社名か、売れ筋の商品力や価格帯で選別されていくと思います。

●ブランドと金額のバランス

大手ハウスメーカー

前述した通り、大手は大体の住宅公園に出店していますので、その商品の魅力を体験するには1番良い方法です。
目で見て確認したり、性能を体感したりするには欠かせません。

しかし、ほぼ100%に近い格率で、50坪以上の大きな商品を建てています。
大きなところで言えば80坪クラスの家を建てて見せ、『大きさ』に魅力を詰め込んでいるように感じます。
そして、ほぼ確実に多種多様なオプションが施されていますので、まるまる実物を買った場合の代金と、実際購入するための標準価格には多額の費用寝違いが生まれるのは必至です。

モデルハウス、モデルルームは夢を大きく見せているのです。

ですが実際は、購入される方のほとんどが30坪からの大きさの家を現実的に建てる方でしょう。

こうなると目の前の商品はほぼ叶わず、目で見た仕様は標準仕様ではないので、いいな、と思ったオプションから予算に合わせて省いていく方法を余儀なくされます。

ただ、性能や保証関係はほとんどそのまま手に入れられることが多いでしょう。

しかし、大手のメリットとして確実に言えるのは工事体制に関しては徹底して自社の系列会社等に工事を施工させるため、工事体制に関しては格段に安心が得られるでしょう。

また、売りにしている躯体など重要な部分に関してはパンフレット通りの期待を裏切らないと思います。

グレードにより商品価格が違うものもたくさんありますので、注意は必要です。

ですが、性能と仕様、どちらも家づくりには切り離すことができない重要ポイントですよね。

前の記事でご説明した通り、建物が小さくなればなるほど坪単価は跳ね上がります。

それを理解した上で、ブランドの安心感と実際の価格をきちんと営業マンに聞き、内容を把握することが重要です。

フランチャイズのメーカー

大手直営店とあまり区別がつかない方も多いのがフランチャイズのハウスメーカーでしょう。

大手ほどではないですが、そこそこ名のある会社の人気商品を売れる権利を得るために比較的中規模、小規模の建築会社が権利金や一等施工あたりのロイヤリティ、管理費などを大元の会社に支払って請け負う方法です。

現在でもフランチャイズの住宅、もしくは商品は非常に多く、年々消費者側の流行もかわるので、加盟したり脱退したりを繰り返しています。

大手と違うのは、会社独自で数年に一度新しい商品を生み出すのではなく、全国的に(地位が全般でも)売れる商品を自由に選べるのが良いところです。

フランチャイズの大元は、ある程度しっかりした規模の建設会社や、売りである施工部材の製造元が元となっているところなどもあります。

人気商品が購入できるのは、若年層の消費者にはとても魅力的な風潮です。

また、このフランチャイズの良いところは価格の明確性がしっかりしているところが最大の利点となるでしょう。

商品自体に価格設定が決められた上で売り出しますので、大手や個人施工の工務店よりは圧倒的に価格が明快です。

ですので、予算組みをしやすく総予算がブレにくいと言えます。

お近くの加盟店に資料請求すれば、標準プラン(間取りや坪数の大きさ)や商品の価格、良心的なところはオプション一覧や変更差額なども記入されたパンフレットを用意してくれるところも比較的多いですので、気軽に資料請求してみましょう。

ただし、家の流行は7年周期でかわると言われている昨今の住宅事情。
また新しい流行が来た時の建て替えを敬遠し、7年のためにモデルハウスを建てるのは大きな壁となります。

ですので購入時期に完成施工現場があれば実物を見る機会もありラッキーなのですが、ない場合はパンフレットや写真のみでの判断を余儀なくされるケースも多い加盟店もありますので、確認した上で訪れて見ることをお勧めします。

こういった大手の売り出し方、やフランチャイズ加盟施工店の特徴など、ブランドや価格をよく熟知した上で比較検討していただければと思います。