新築住宅やマンションなどをご購入され、現在住宅ローンを変動金利で支払っている方々へ、支払い遅延が生じることよって適用金利が高くなることがある大切なお知らせです。

コロナの影響で休業、失業など、思いもよらなかった事態に見舞われ、月々の支払いに対する不安が出てきた方も多いのではないでしょうか?

私もエンドユーザーとして住宅ローンを抱えている人間ですから、決して他人事ではありません。

今日は例となる数字も併せてご説明致します。
最後にこの緊急時の対策についてもまとめていきますので照らし合わせてご確認下さいね。

まずは改めて、ご自身のご契約先の金融機関の契約金利と、店頭表示金利を、いま一度確かめていただきたいと思います。
ここ10年〜15年以内のローンの契約であれば金利1%未満、0.7%位の方が多いと思います。

ただこの0.7%とは、店頭金利、例としては2.475%から、優遇金利として1.775%を信用分だけマイナスされた金利が0.7%ですので、本来の金利は2.475%なのです。
金融機関の金利は二重表示のようになっているので、皆さんよくわからないまま今まで過ごしてこられた方が多いでしょう。
個人信用状況によって、あくまでも金利が優遇されて0.7%など低金利になっているだけなのです。
通常、しっかりと支払い日を守り、延滞なく支払っていれば公定歩合が変化しない限りは、ほぼ毎月の支払いは変わらないのですが、これは2ヶ月遅延すると店頭表示金利の契約に戻るということはあまり認知されていません。

建築や購入の際、営業マンが深く説明をしていなかった、あるいは銀行契約の際の説明を聞いてはいても、あまり理解できないままでいた方も多いと思いますが、これは金銭消費貸借契約に記載され謳われている現実です。
知らずにいると、2ヶ月以降の支払額はグッとあがってしまうのです。
こちらを前提に例を挙げてみます。

◆例A)
当初融資額 3000万円を
0.7%で35年ローン(420回払い)
の変動金利で契約支払い中

こちらですと、

月々 80,556円 
を毎月支払っていることになります。
総支払額は 33,833,618円
金利は35年で 3,833,618円です。
これが延滞2ヶ月後、

◆例B)
店頭金利例 2.475%
に戻ってしまったとすると、
月々 106,846円
の支払いに激増します。
総支払額は 44,875,737円
(※注意もちろん今まで支払った価格はマイナスしていない状態で)

金利は35年で 14,875,733円
金利の差には、これほどの違いがあるのです。

遅延して2.475%に上がると、月の支払いが今までと比べてどれだけ増えるか計算してみると、

106,846−80,556=26,290円増
26,000円以上、毎月の支払いが高くなるということです。

変動金利というのは、元々半年に一度くらいのペースで見直しが行われ、公定歩合などの変化が生じた時などに見直しされ、段階的に上がる、という方式です。
近年20年くらいは金利に変化はなく、安くなることはあっても高くなることはさほどありませんでした。
上がったとしてもいきなり倍になる、というのは消費者にとっては不都合であり現実的に支払いできませんので、次に上がる可能性は25%上昇まで、などと線引きがあります。

ただし、今回ご説明しているような延滞に関しては、これらは関係なく店頭金利まで一気に上がる、という事態になってしまうのです。
更に付け加えると、3ヶ月目、なお支払いが遅れると、代位弁済物件のリストに入ってしまいます。
地上権などの権利もあり、すぐに差し押さえ、ということはないですが、半年以上〜1年と続くといずれお金を借りている機関の差し押さえ物件になってしまいかねないのです。

もしも、先月、支払いが遅れた、もしくはまだ支払えていない、など緊急事態が起きている場合はどうしたら良いか?

この場合、一番にすべきは金融機関にすぐに連絡を入れることです。
状況を話しておくことで以下の対策が可能です。

例えば、1つ目。
登記を書き換えずに、月々の支払いを一定時期だけを減らし、未来の支払いを増やすという支払い調整があります。

◆例①
毎月約8万円支払っていたのを今だけ4万円にして、5年後から毎月約10万円支払う、などの調整です。
元の給与に戻った、再就職先が見つかったなど、支払いが安定した際に少なくした分を支払う方法です。
これが一番早くすぐに手続きができる対策となります。
二つ目は支払いの延長です。
登記の書き換えの必要や費用については金融機関に確認が必要ですが、

◆例②
35年で毎月約8万円だった支払いが、あと残り25年で終わる予定だったとしたら、
毎月支払額を約5万にして、今から35年を再度組み直す、などの方法です。
こちらは支払い完了の年齢が当初より更に10年伸びてくる感じです。
もちろん、ご年齢によっては今から35年までは組めない方もいらっしゃるかもしれませんが、最長まで危機を回避する方法の一つです。
3つ目は最後の手段で、債権の減額です。
実際に過去行われたことがあるのはバブル崩壊の時だけだそうです。
リーマンショックの時にはここまで行われたことはあまりないようですが、債権の減額による支払い調整です。

◆例③
当初借入が3000万円、
約10年支払って、残り残額約2000万円だったとします。
この残高自体を金融機関が1000万円減額して、残り1000万円の債券だけにすることで毎月の支払いを約半分に減らす、などの手段です。
銀行も全額回収できない不良債権になるよりは半額だけでも回収したい、と判断した時のみに行われます。

(※注意)
上記に挙げた①から③は個人の現在の契約状態や残額、残年数など各々状況が違いますので、ざっくりと数字のイメージで表した数字ですからご注意下さいね。
支払いができなくなりそう、
そんな時、まず検討すべきは1つ目に挙げた毎月の支払い調整、2つ目の支払い期間の延長の手続きからです。
支払い遅延になる前にとにかく銀行に連絡して相談してみて下さい。

また、固定金利、フラット35をご利用されている方も45年まで10年の延長が可能です。

今回、皆さまにコロナショックに於ける対応をするにあたり、銀行さんとお話しして得た情報を上記にまとめてみました。

他にも、金融機関によっては電話一本で金利が下がるという知られていない奥の手もあるのです。

出口が見えず、ご不安な方も多い中、私は皆様の住まいを守る情報のご提供をしたく、今日もまた長々と書かせていただきました。
もちろん、現在もなお2%など、長年高い金利のまま契約し続けている方も借り換えで月々の負担がかなり減るケースが多いです。
お気軽にご相談下さいね。
皆様のお心に少しでも希望が満ちますように。