真剣に書きます。
長文になりますが、皆様にずっとお伝えしたかったことです。

一つずつ紐解いてお話しするには難しいこともありますが、勇気を出して書きますので、どうか読んでいただけたらと思います。

鴻巣市のS様のご新築についてです。

この3ヶ月、正確には3月末から長いことお客様と共に悩んで、耐えて、乗り越えて、今日に至りました。
最終的にこうして顔出しのお写真と共に再スタートを切ってくださったS様に、まずは改めて感謝を申し上げたいと思います。
2月のセルコホームさんとのご契約から、お気付きの方もいらっしゃったかと思いますが、S様邸の記事は書かずに止めておりました。
どうなったんだろう?とお思いになった方もいらっしゃったと思います。
今回、お客様と何度もじっくり話し合った結果、5月に勇気ある解約をさせていただきました。

新築工事の『解約』と聞くと、多くの方は良いイメージを持たないのではと思います。
しかし今回は時間をかけて、S様、セルコホーム様、双方がご納得いく結果をもってのご解約です。

今回この投稿をさせていただくのは、理由が二つあります。

1番目は、たとえ家づくりにおいて解約をご選択されたとしても、決して悪いことばかりではなく、諦めずに探し続けて交渉すれば、次の新たなスタートへの鍵となること。

2番目は、勇気を出し、頑張って夢をつかんだS様の再出発を応援していただきたいからです。

なぜ解約になったのか?
皆さまはとても気になると思います。

事の始まりは、セルコホームさんからの連絡ミスという些細な行き違いでした。
契約後、間取りも決まり、いざ仕様打ち合わせに入ろうとした頃、急遽、

『外部の給水工事費用が追加でかかります。』

と営業さんから伝えられたことから始まりました。
契約当時では予想していなかった費用がいきなり追加でかかると言われて、私は最初、正直に言ってしまえば頭にきました。

(今さら?このタイミングでなぜ?)

そんな気持ちでした。

しかしながら、私も工事については下調べをした上でご契約の架け橋をしている立場ですから、

『そんな費用はかからないはずですよ、こうやる予定ですし、それほど疑問であれば直接、市役所までお越しになり、再度調べてみてください。』

とお伝えしたところ、やはり私の言った通り、費用はかからないことが判明しました。

しかしその結果が出るまでの数日、お客様も私も多額の費用がプラスで要する可能性が浮上したことで、とても不安になりました。
モヤモヤの数日です。

『追加で費用がかからないとわかるまでは不安なので、再調査したその日のうちに、お客様に責任を持って請負側としてご連絡してほしいです。もちろん結果は私からもお客様にご連絡しますが、請負当事者として必ず伝えてくださいね。』
と頼んでありましたが、当日、私にはご連絡いただいたものの、お客様には何日もご連絡がいかなかったのです。
S様の心にはかすかに不安が生まれてしまいました。

私からは当日中に追加費用はかからずに済むと結果を聞いたものの、やはりセルコホームさん自身から結果を聞きたい、そんな気持ちであったのです。
確かに結論としては追加費用はないですし、お客様にご迷惑はかかりませんが、営業である前に『人として』誠意を持って、まずは誤った判断を先に言ってしまったことを謝罪して欲しかったですし、電話一本で『あぁ、良かった』とご安心していただけたのではと思うのです。

『結論的にはかからない』

という事実より、誠意を持って対応してくれる気持ち、心がまず大切なこと。
家づくりはチーム全ての人間の信頼関係が最重要だと私は思うのです。
こんな書き方をすると、あたかもセルコホームさんへのバッシングに捉えられるかもしれませんが、それは違います。
営業さんからお客様への給水工事の事の連絡が遅れてしまってから以後、セルコホームさんは改めてお客様宅まで謝罪に来てくださったり、きちんと対応はしていただいたのです。

しかもセルコホームさんには昨年、同じく鴻巣市内のお客様に素晴らしいお家を建てて頂きましたし、関わってくださった全てのスタッフさんが素晴らしい方々でした。
お客様も大満足して頂いた家づくりを私も真ん中に立つ立場として目の当たりにして来ましたので、素晴らしい家づくりをして下さる会社さんには間違いないのです。

しかしながら、一度曇りがかかってしまった関係。
人間同士、結果云々より、話をすれば分かり合えることがたくさんあります。
どこにでもミスが多少生じることはあることです。
しかし、当事者双方の心のタイミングがほんの一歩、ズレてしまったのです。
あと少し早く連絡して頂けたら、間に合ってくれていたら、と今も心には残るものがありますが、お客様の心を思えばこそ、これで良いのか?としばらく悩み続けました。

食も細り、1日1食しか食べることができなくなり、数日寝込みました。

お客様はなおさら辛かったと思います。
セルコホームさんとも、直接私が代わりに何度となく話し合いをしましたし、お客様からは心のうちを毎日のように聞き続けました。
何が一番良い答えなのかなどということは、私ごとき人間が決めつけてはいけない事です。

家づくりは思い出までも全てが宝物になるべき。

私はお客様に家づくりを託された住まいコンサルサントです。
私が守らずして、誰がお客様を守れるのか。
解約ともなれば、イチからやり直しとも同様ですし、諸々リスクが生じます。
リスクを受け入れた上でも、さらに素晴らしい家づくりへといざなうことができるのかー。

私は結論が出たら全てを受け入れてやるしかない。

『新井さんは自分たちのトリデです』

そこまで言ってくださるお客様を私が守らずして誰が守るのか。
そう腹をくくり、できること全て、ありとあらゆることをやりました。
セルコホームさんとは話し合いを続け、もしもの時、最終的にお客様が解約を選択される時のために、お客様が当初の予定通りの建築スケジュールのまま、そしてなにより、夢に描いたままの家づくりで再スタートをきれる方法を毎日毎日諦めずに探し続けました。
そして5月の頭、最終的な答えはお客様に託したのです。

結果は前述した通り、解約ということになりました。

解約についてその他もいくつかの困難もありましたが、誰がどうだったとか何があったとか、そのような事は詳しくは書きません。
昨年夢のマイホームを建ててくださったお客様のためにも、あぁだこうだの発言は不要だと思っています。
セルコホームさんにはS様邸に起こった事情を受け入れていただき、ご配慮頂きました。

せっかくつないだご縁を白紙に戻す結果になってしまったことは、私にも多大に責任があると思います。
私がもっとしっかりフォローできていたらと思うと自分が許せないことも多いです。
不甲斐ないと思います。
悔やまれることもたくさんあります。
でも私がまず前を向かなきゃ始まらない。
お客様を支えなくては、と奮起しました。

セルコホームの店長さんも、先日わざわざ私の自宅まで謝罪にお越しになりました。

『新井さんには全てを手配してご紹介頂いたのに、このような結果になり多大なご迷惑をおかけし、会社を代表して申し訳なくお詫びいたします。』

正直、表現しきれない複雑な思いが私にもあります。
でも、セルコホームさんに与えて頂いたものはたくさんあります。
昨年、素晴らしい家づくりの経験を共にしたことに間違いはありません。
ですので私は店長さんに、

『起きてしまったことを悔やむより、次、同じことが起きないよう改革して頂き、次に活かすことが大事ですよね。私も今後この経験を糧にして更に努力したいと思います。これからもセルコホームさんを建てたい、というお客様が私の所にいらした時、自信をもってご紹介できるためにも、さらにお互い努力しましょうね。営業同士、人間同士、もっと良い家づくり、頑張りましょう。』
そう伝えました。

そして今、お客様を3ヶ月前よりもっと素晴らしいステージに連れて行けたという自負も同時にあります。

先日、改めて、株式会社 古川工務店さんとS様とのご契約をおつなぎすることができました!

契約内容は素晴らしいものです。
交渉の結果、総予算は下がり、仕様内容はぐっと上がりました!
諦めずに良かった、の一言です。
S様、元気に幸せ一杯になって下さいました!
乗り越えてのこの笑顔です!

いつも寄り添いながら来ましたので、奥様とはまるで姉妹のような強い絆が生まれました。
打ち合わせの度に何度も私を気遣って、美味しいものをごちそうして下さいました。
私をずっと信じてついてきてくださったS様。
ぜひ皆様に、S様を応援していただけたら幸いです。

今回のご解約はボタンのかけ違いのような出来事がきっかけではありましたが、決してお客様側やセルコホームさん側のどちらか一方的判断によるものではないことをお伝えしたかったのです。

関わって来られた全ての皆様ができる限りのことをして下さり、みんなで熟慮した上での結論です。
ですからこうして勇気を出して書きました。

今は着工に向けてスケジュール通り進んでおります。
誰しも、突然予期しない壁が生まれることがあります。

でも、新たなきっかけをつかむのは皆さん自身です。
私はこれからも諦めません。
魂が震えるような家づくりを中心で導いていきたいです!

どの瞬間、どの場面においても、
後悔しない家づくりを致しましょう!